治療について

坂田鍼灸治療院における針の衛生面への徹底について

当院では、衛生面を非常に重要視しており、
エチレンオキサイドガスで滅菌された使い捨ての針と、 使い捨ての手袋を使用しております。
そして針の処分は、医療専門の廃棄業者にお願いするというマニフェスト方式を、採用しております。


れからの鍼灸業界では当たり前のこととなって欲しいと思うのですが、実態はなかなか難しく、当院は少数派になっております。

私が駆け出しの頃、
ある先生に「手袋をしていると指先の感覚が鈍る」と言われてそんなものかな?と 疑問に思っていましたが、中国に留学して鍼灸、気功、武術の訓練を通じて、 更に20数年の臨床経験を積んで判ったことは、手袋を装着してても全く問題なく、 患者さんの体温や微妙な感覚は伝わるように成るということです。

それが技術というものだと思います。
なによりも安心して治療が受けられることは、
患者さんにとって大きなメリットとなり治療師に対しての信頼を勝ち得るものだと確信しております。

鍼灸不適応疾患の鑑別

鍼灸師は法的には診断権はありませんが、
危険な鍼灸不適応疾患が紛れ込んでくる可能性があり、 鍼灸師にも一定の現代医学知識水準がもとめられると思います。

「どんな病気も直してあげる」と誇張が強かったり、 又は何もサジェッションがない等の治療師はレベルの低い治療師であると断言します。
長年の臨床経験が在れば 患者さんのためにお役に立てる疾患とお役に立てない疾患の鑑別はつくものです。

例えば首肩の痛みの鑑別は、 神経テストや打鍵器等をつかって検査します。
そしてポイントは痺れと運動制限に着目します。
痺れがある場合殆どが、頚椎周辺のトラブルがあります。
その場合膀胱直腸障害や髄膜刺激症状が存在しているときには、ただちに病院へ紹介します。
これは緊急の措置が必要な症状です。

そのためにも医療連帯が必要であります。
当院は地域の医療機関の信頼が厚く、医療連帯を積極的に推進しており、 必要となれば、すぐに当該の病院へ紹介します。
このことによって患者さんにとって、より安全で安心な結果が得られることになるでしょう。

よい鍼灸治療の条件としては

あくまで私の私見ですが
①現代医学の知識に基づいた(例えば神経ブロック的・トリガ-ポイント・モ-タ-ポイント等、) 手法がつかえること。
これは痛みの管理に非常に有効な手段で在ると思います。 それと上記でも書いた通り危険な鍼灸不適応疾患が紛れ込んでくる可能性があり、 鍼灸師にも一定の現代医学知識水準がもとめられると思います。

②古典的手法が使える事。
私は科学を否定するものではありません。
むしろ科学の恩恵を深く感じています。
しかし恥ずかしながら力んでお話をしますと、 哲学的には「科学」は「科学主義」という立派な思想なのです。
現代医学と東洋医学はパラダイムが違うだけで、「現象学」的に言えば、 現象を取り扱っている事にすぎずどちらも絶対的な本質には迫れません。

ですから色々なアプロ-チの仕方が可能になることでしょう。 生物の個体差に着目し「証」をたてて治療を行う東洋医学は、 生体を総合的に捉える重要なアプロ-チとなることでしょう。 しかし最近モチベ-ションの下がった鍼灸師が多くなっているように思えてなりません。
「気」の概念を忘れた鍼灸治療はただの物理療法になってしまいます。

私が思うには、
針・灸という道具を使って患者さんの「気」を変化させるよう経絡に基づいた治療を行うことが 現代医学にたいしての大事な補填となることを確信しております。

③経験則がある事
どれだけ数をこなしているか?が非常に大切!!
何十年も鍼灸の世界で生き残ってらっしゃる先生方はそれだけで尊敬できる能力があると思います。
患者さんの総数不足は技術への信頼がダウンします。それは職人の世界では当たり前のことです。